文化勲章受章者決定
1996年10月今年度の文化勲章受章者5名と文化功労者15名が25日、政府から発表された。美術関係では陶芸の浅蔵五十吉(83)、洋画の伊藤清永(85)、服飾デザインの森英恵(70)が文化勲章受章者に、写真の石元泰博(75)、書・書教育の上条信山(89)、洋画の難波田竜起(91)、日本画・古画再現の守屋多々志(84)、彫刻の柳原義達(86)が文化功労者に選ばれた。
今年度の文化勲章受章者5名と文化功労者15名が25日、政府から発表された。美術関係では陶芸の浅蔵五十吉(83)、洋画の伊藤清永(85)、服飾デザインの森英恵(70)が文化勲章受章者に、写真の石元泰博(75)、書・書教育の上条信山(89)、洋画の難波田竜起(91)、日本画・古画再現の守屋多々志(84)、彫刻の柳原義達(86)が文化功労者に選ばれた。
中国南宋時代末期から元時代初期にかけて活躍し、日本の水墨画に多大な影響を及ぼした禅僧、牧谿の日本に現存する作品を初めて一堂に集めた「牧谿-憧憬の水墨画」展が26日から五島美術館で開催された(~11.24)。新出作品・模本を含めた展観に加え、図録も伝来作品の図版一覧や資料編を充実させるなど、日本の水墨画研究に大きく寄与する企画となった。
文化財保護審議会(西川杏太郎会長)は18日、国の史跡に青森市の三内丸山遺跡など8件、重要文化財に三重県四日市市の四日市旧港港湾施設など3件、天然記念物2件、重要伝統的建造物群保存地区(町並み保存地区)2件の指定・選定を奥田幹夫文相に答申した。また、答申は東京都港区の旧新橋停車場跡の史跡指定範囲を大幅に拡大するよう求めた。
黒田清輝らが中心となり、明治の日本美術に新風を吹き込んだ白馬会の結成100年を記念して「白馬会-明治洋画の新風」展が19日からブリヂストン美術館で開催された(~11.28)。白馬会の回顧展としては空前の規模であり、その全貌をうかがう恰好の機会となった。本展はブリヂストン美術館で終了後、京都国立近代美術館、石橋美術館に巡回した。
14日、山口県萩市に山口県立萩美術館・浦上記念館(足立明男館長)が開館(山口県萩市平安古586-1)。同館は浮世絵コレクターとして有名な浦上敏朗のコレクションを核に、同じく日本美術コレクターのフェリックス・チコチンによるコレクションも加えた、全国でも有数の浮世絵美術館となる。建物は地下一階、地上二階で、七つの展示室のほかに美術図書室、ビデオコーナー、ミュージアムショップなども設けられている。開館記念展は「蒐集家浦上敏朗の眼 館蔵名品展」(14~12.23)
15世紀後半から幕末まで約400年にわたって最大の画派であり続けた狩野派の始祖正信と、大成者元信の時代に焦点をあてた「室町時代の狩野派-画壇制覇への道」展が、15日から京都国立博物館で開催された(~11.17)。新出資料を含めて室町時代の狩野派の作品が網羅的に展示され、従来の狩野派展とは異なる新鮮さが評価された。
茨城県鹿嶋市の鹿島神宮の境内の大杉が22日の台風17号の強風で倒れかかり、国指定重要文化財の仮殿が傾き、東神門も全壊した。仮殿は元和4(1618)年の建築。東神門は昭和15(1940)年に建てられたもの。
国際交流基金の主催によりパリ日本文化会館の開館記念事業の一環として17日からパリのグラン・パレで興福寺展が開かれた。国宝、重要文化財34件を含む寺宝47件を展観するもので、海外に日本の仏教文化を紹介する好機となった。
19日、やきものの祭典「世界・?(ほのお)の博覧会」が開幕。佐賀県を中心に、福岡県、長崎県が県内の産地の特色を生かしながら参加した。世界から国宝級の陶磁器を集めて展示した「文明とやきもの展」、人間国宝ら現代の名匠の作品による「現代陶芸の精華展」等の企画展も行われた。
東京・上野公園にある東京国立文化財研究所が19日、同公園内で新館建設に着手した。地上四階、地下一階、延べ床面積10515平方メートル。完成は5年後の2001年の予定。国連機関の国際文化財保存修復センター(ICCROM)が日本に要請している各国の技術研修者受け入れ施設も含んでいる。
国内の優れた彫刻作品に贈られる中原悌二郎賞の第27回目の受賞者は若林奮の「DaisyⅢ-2」に、中堅・若手作家を対象とした中原悌二郎賞優秀賞は岡本敦生の「地殻-鼓動」に贈られることとなった。
解体撤去が決まっているソウルの旧朝鮮総督府の建物(国立中央博物館)で、中央ホールの壁画として掲げられている洋画家和田三造の作品「羽衣」の撤去作業が1日から始まった。この壁画は縦5.5メートル、横4.75メートルで、キャンバスに四重の韓紙を張って天女と若者が南洋風に描かれており、総督府完成と同じ1926年に完成した。
6日、岡崎市美術博物館(通称「マインドスケープ・ミュージアム」)が開館(愛知県岡崎市高隆寺町峠1岡崎中央総合公園内)。「心を語るミュージアム」と銘打ち、心をテーマにした美術品を収集・展示。また岡崎に生まれた徳川家康の時代、16世紀半ばにも焦点を当て、この時代をアジアとヨーロッパの文化が出会い融合した「ワールドバロック」の時代と位置付け、東西の美術を比較鑑賞できる企画展を行う。建物は地上二階地下一階、延べ床面積6444平方メートル。開館特別展は「天使と天女―天界からのメッセージ」(6~9.23)。
芸術・文化分野で活躍する世界の芸術家の業績を讃える「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催・財団法人日本美術協会、総裁・常陸宮正仁親王)の第8回受賞者の発表が4日パリのルーブル美術館で行われた。美術関係では、絵画部門でサイ・トゥオンブリー(68、アメリカ)、彫刻部門でセザール(75、フランス)、建築部門で安藤忠雄(54、日本)が受賞した。受賞式は10月25日に東京、元赤坂の明治記念館で行われる。
近代の文化財保護の必要性が認識されてきたため、1975年以来の大幅な見直しを盛り込んだ文化財保護法改正案が今通常国会で成立した。従来の指定制度では指定品の所蔵者に強い規制と手厚い保護を与えていたが、改正案ではあらたに文化財登録制度を導入し、文化庁長官は必要に応じ、登録文化財の所有者に指導・助言・勧告を行うという緩やかな規制と保護を行うこととし、保護方法の多様化を図ったものとなっている。重要文化財などの活用に関しても、従来よりも規制を緩和する内容となった。
昨年8月に逝去した秩父宮妃の親族が27日相続税を申告し、遺産の内、不動産を除く総額の約半分にあたる8億円相当が、「広く公益目的の活動に使ってほしい」という遺言により国や公益法人に遺贈されることとなった。国に遺贈される美術工芸品は約1050点で宮内庁が同庁三の丸尚蔵館に保存する。中には平安時代の歌集「堤中納言集」などの優品も含まれており、同庁ではいずれ展示公開する方針である。
明治時代を主題とする学術・芸術に関する業績を対象とした第22回明治村賞受賞者は神戸芸術工科大学図書館長の坂本勝比古に決まった。居留地異人館等、近代建築の研究と保存に関する業績が評価されたもの。
文化財保護審議会(鈴木勲会長)は19日、重要無形文化財保持者(人間国宝)にあらたに12人を認定するよう奥田幹夫文相に答申した。美術関係では備前焼の藤原雄(ふじわら・ゆう、63)、民芸陶器(縄文象嵌)の島岡達三(73)、紅型の玉那覇有公(たまなは・ゆうこう、59)、茶の湯釜の高橋敬典(たかはし・けいてん、75)、刀剣研磨の藤代松雄(81)、衣裳人形の秋山伸子(本名・今井伸子、68)が認定された。これで現存の人間国宝は92人となる。また、美術関係の選定保存技術の選定・認定については本藍染の森義男、筬制作・修理の北岡高一、荒苧製造の矢幡左右見(やわた・さゆみ)、歌舞伎小道具製作の保存団体歌舞伎小道具製作技術保存会が選ばれ、表装建具製作の山岸光男、日本産漆生産・精製の日本うるし掻き技術保存会が追加認定された。
文化財保護審議会(鈴木勲会長)は19日、美術工芸品の福島県河沼湯川村の勝常寺蔵木造薬師、徳川千代姫所用の婚礼樹調度類など3件を国宝に、重要文化財に長野県サンリツ服部美術館所蔵の「紙本墨画淡彩望海楼図」等46件を、また、建造物の重要文化財5件、伝統的な町並みを保存する「重要伝統建造物群保存地区」2件、史跡・天然記念物5件を新たに指定するよう奥田幹夫文相に答申した。
パリのギメ美術館とフランス国立図書館に秘蔵されていたポール・ぺリオ・コレクションを中心に、世界9ヶ国、15施設から優品約240点を集めた「大シルクロード展」が20日から東京都美術館で開催された(~7月7日)。同展は、昨年10月から今年2月までパリのグラン・パレで開催された「セランド-仏陀の地」を東京国立博物館の監修のもと再編にしたもので、西域における仏教美術の伝播と仏教美術の東西交流を跡づける充実した展観となった。